国内オークション不落札コイン検証|そのコインはなぜ入札されなかったのか?
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今回は、皆さんがコインを購入する際、多くの人が気になる
「失敗しないコイン選び」
について考えてみたいと思います。
国内オークション結果の検証で、「高額」や「入札数」についてはよく見かけます。
もちろん、人気のあるコインや価格が上昇しているコインを知ることも重要です。
しかし、初心者の方にとっては、
「どのコインが人気なのか?」
だけではなく、
「なぜ、このコインは買われなかったのか?」
を知ることも、失敗しないコイン選びにつながるのではないでしょうか。
そこで今回は、2026年7月に開催された国内オークションから、入札数「0」だったコインを3ロット選び、なぜ入札されなかったのかをCoinsHeart独自の視点から検証していきます。
第1回目は、こちらのコインです。
「2021 £5 PCGS PR70 Alderney New Gothic Crown Ag Matte Shields-Piefort」
「2021 £5 PCGS PR70 Alderney New Gothic Crown Ag Matte Portrait-Piefort」
「2枚セット」
実際のオークション結果はこちらからご確認いただけます。
[AW(オークションワールド) 2026年7月 オークション結果ページ]
一見する、とかなり魅力的なスペックを持ったコインです。
それにもかかわらず、結果は入札数「0」でした。
では、なぜでしょうか?
■スペック・スタート価格
・PCGS-PR70 Matte(マットプルーフ)
・2枚セット
・2オンス
・ピエフォー(倍厚)
・純銀(99.9%)
・各62.2g
・発行枚数 各375枚
・スタート価格 20万円
※Matte PR(マットプルーフ)とは?
コインを始められた方がプルーフと聞くと、
「プルーフ=鏡のようにピカピカしたコイン」
というイメージを持っているかもしれません。
しかし、プルーフにはいくつか種類があります。
代表的なものとして、
・Brilliant Proof=鏡面のような強い光沢を持つ一般的なプルーフ
・Matte Proof=全体が艶消し
・Reverse Proof=デザイン部分と平面部分の光沢が逆になった仕上げ
「Matte Proof」は、通常の鏡面プルーフとは異なる、落ち着いた独特の美しさを持つ仕上げです。
PCGSもMatte Proofを、一般的な鏡面プルーフとは異なる特徴的な仕上げとして説明しています。
■入札されなかった理由を検証
基本的には、
・発行枚数が各375枚(希少性)
・PCGS PR70(高鑑定)
・デザイン性(イギリスの人気デザイン)
かなり魅力的です。
しかし、入札は「0」。
そこで、CoinsHeartでは3つの要因が考えられるのではないかと分析しました。
①「Matteプルーフ」が購入者の好みに合わなかった可能性
今回のコインは、PCGS PR70という最高グレードです。
しかし、ここで重要なのは、
「最高グレード=すべてのコレクターにとって欲しいコイン」ではない
ということです。
モダンコインのコレクターの中には、「Cameo」付きの強いコントラストを持つプルーフを好む方もいます。
一方、Matte Proofは表面全体が落ち着いた質感になるため、通常の鏡面プルーフとは見た目が大きく異なります。
つまり、「PR70だから欲しい」という人がいる一方で、
「PR70でもMatte Proofなら今回は見送る」
という人がいても不思議ではありません。
むしろ、「コインの評価は、鑑定グレードだけでは決まらない」
ということを示す一例ではないでしょうか。
② スタート価格20万円が入札を慎重にさせた可能性
次に考えられるのが、スタート価格です。
2026年3月の国内オークション(4か月前)では、同様のコインがスタート価格17万円、落札価格19万円でした。
つまり、前回の落札価格よりも高い価格からスタートしています。
もちろん、過去の落札価格だけで現在の適正価格を判断することはできません。
オークションは、
・出品時期
・金価格・銀価格
・参加人数
・コレクターの需要
・コインの状態
・市場全体の雰囲気
など、さまざまな要因によって結果が変わるからです。
購入者からすると、20万円というスタート価格が入札を躊躇させる価格設定になっていた可能性はあります。
③ 「オルダニー島発行」が購入者層を限定した可能性
今回のコインは、オルダニー島の発行です。
オルダニー島はイギリス王室属領ではありますが、イギリス本国ではありません。
例えば、「イギリスのコインを集めたい」というコレクターであっても、
・イギリスに関連するデザインなら幅広く集めたい
・イギリス本国で発行されたコインを中心に集めたい
という方では、購入対象が異なります。
デザインだけ見れば魅力的でも、「発行主体までこだわるコレクター」にとっては、候補から外れる可能性があります。
■今回、なぜ「入札0」だったのか?
今回の結果について、CoinsHeartでは次の3点が影響した可能性があると考えます。
①Matte Proofという仕上げ
鏡面プルーフを好むコレクターにとっては、Matte仕上げが購入動機になりにくかった可能性があります。
②スタート価格20万円
過去の落札実績と比較して、入札を慎重にさせる価格設定だった可能性があります。
③オルダニー島発行
「イギリス」というテーマでコレクションする場合でも、発行主体を重視するコレクターにとっては購入対象から外れた可能性があります。
■「希少」「最高グレード」だけでは売れない
今回のコインから、初心者の方にぜひ知っていただきたいことがあります。
それは、
「希少性が高い」
「最高鑑定である」
「高品質である」
という条件が揃っていても、必ずしも入札されるとは限らないということです。
コインを購入するときには、
「このコインは良いコインなのか?」
だけではなく、
「このコインを欲しいと思う人は、どれくらいいるのか?」
という視点も重要です。
これは、将来売却するときのことを考える上でも大切なポイントになります。
■まとめ
こちらコイン、今回のオークションでは魅力的なスペックを持つコインにもかかわらず、入札数は「0」でした。
もちろん、実際に入札しなかった方に理由を聞いたわけではありません。
そのため、今回挙げた理由はあくまでもCoinsHeart独自の分析・推測です。
しかし、このように「なぜ売れなかったのか?」を考えることで、
「自分なら、このコインを買うだろうか?」
という、コイン選びの重要な視点を持つことができます。
コイン選びで、
「このコインを購入して大丈夫だろうか?」
「もう少し詳しく知りたい」
「購入前に相談したい」
という方がいらっしゃいましたら、お気軽にお問い合わせください。
第2回もぜひお楽しみに。
※本記事のオークション結果に関する考察は、CoinsHeart独自の分析です。
入札されなかった実際の理由を特定するものではありません。